【X(Twitter)運用ガイド④】X(Twitter)の運用ルールを決める

「X(Twitter)運用ガイド」は、アカウント運用のステップを7つに分け、運用目的からKPI、具体的な戦術まで体系的に学べるコンテンツです。

前回の「KPI(定量目標)を立てる」に続き、今回は「運用ルールを決める」について解説します。X(Twitter)の運用ルールはアカウントを効果的に管理し、成果を向上させるために不可欠です。投稿頻度、投稿作成フロー、コミュニケーション方針を統一することで、運用の一貫性と効率が高まり、成果を最大化できます。

また、SocialDogを活用したデータ分析とキャンペーンの実施により、目的に沿った成果を出すことができます。本記事では、具体的な事例を交えながら、目的に合った運用ルールの決め方について解説していきます。

運用ルールの5つの要素

運用ルールにおける5つの要素を解説します。ここでは、一般的に効果のある運用例を提示します。目標達成に必要な基本的な運用ルールをドキュメント化し、社内で共通の運用ルールを決めましょう。

1. 投稿頻度

  • 頻度:1日1〜5回が基本(朝・昼・夕方に分散)。
  • タイミング:アカウントのターゲット層がアクティブな時間帯を分析して設定。
    • 個人向け(toC)投稿の時間帯

      • 8時~9時(朝の時間帯)

        通勤や通学の時間帯です。この時間は、電車やバスの中でスマートフォンを見てSNSをチェックする人が多いため、投稿が目に留まりやすいです。

      • 12時~13時(昼休み)

        昼食を取りながらSNSをチェックする人が増えます。この時間はリラックスしており、情報収集や娯楽目的でSNSを開く傾向が強いです。

      • 20時~22時(夜の時間帯)

        仕事や学校が終わり、自由時間が増えるため、SNSの使用が最も活発になります。自宅でくつろぎながら情報を探すため、エンゲージメント率が高まります。

    • 企業向け(toB)投稿の時間帯

      • 7時~9時(出勤前・通勤時間)

        企業の担当者やビジネスマンがニュースや業界情報をチェックする時間帯です。特に通勤中にスマホやタブレットを使用することが多く、投稿の露出が増えます。

      • 12時~13時(昼休み)

        企業担当者も昼食時にスマホを見てSNSを確認します。短時間で効率よく情報収集しようとする傾向が強いので、簡潔で興味を引く投稿が効果的です。

      • 17時~19時(退勤後の時間帯)

        仕事が終わり、帰宅する時間帯です。この時間は「今日のニュース」や「業務関連のトレンド情報」などをチェックしやすいタイミングであり、企業向けの情報発信には最適です。

2. 投稿作成フロー

  1. 投稿作成:投稿内容を企画し、文章を作成
  2. 画像・動画の選定:必要に応じてビジュアル素材を追加
    • 解像度やサイズに注意する(推奨サイズ:1600×900px)。
  3. 事前レビュー:チーム内で内容を確認
    • 誤字脱字がないかチェックする。
    • トーン&マナーが統一されているか確認する。
  4. スケジュール設定:適切なタイミングで投稿を予約

3. コミュニケーション方針

  • 返信対応
    • 対応時間を決める
      • 平日24時間以内、営業時間3時間以内など。
    • 対応範囲を決める
      • 自社のターゲットアカウントや顧客への返信を優先する。
      • 質問・フィードバックには積極的に対応する。
      • ネガティブなコメントには対応せず、必要に応じて関係部署にエスカレーションする。
  • リポスト(リツイート)
    • 自社関連の投稿を見つけてリポスト(リツイート)する。
  • ダイレクトメッセージ(DM)
    • DMは問い合わせ窓口として設定し24~48時間以内に返答するなどのルールを決める。

4. X(Twitter)運用成果の測定

  • 役割の明確化

    • 誰が:運用担当者が基本的に測定し、チームリーダーに報告するなど。
    • いつ:毎日朝(9時)と夕方(16時)にログインするなど。
  • 運用成果の確認

    • 毎営業日ログインし、以下を確認。
      • インプレッション・エンゲージメント増減:直近の投稿がどれだけ効果があったのかを確認
      • フォロワー増減:直近の投稿からどれだけフォロワーが増えたか確認
  • レポート作成

    • 週次:主要KPI(インプレッション数、エンゲージメント数、フォロワー数)の変化を記録
    • 月次:長期的なデータを分析し、戦略を見直す。
      • SocialDogでは分析データをCSVファイルでダウンロードできるため、独自の分析や他データとの統合が可能

5. キャンペーン実施方針

  • 目的の決定(以下3つから選択する)
    • ブランドの認知拡大:新商品・サービスのプロモーション。
    • エンゲージメント促進:フォロワー増加や参加型コンテンツ。
    • 販売促進:特典や割引クーポンの提供。
  • 実施タイミングの決定
    • シーズンごとのイベント(例:年末年始、バレンタイン)。
    • 商品やサービスのリリース時。
  • フローの決定
    1. 企画立案:対象キャンペーンの目的、期間、対象を設定。
    2. プロモーション:投稿スケジュールを設計し、告知用投稿を作成。
    3. 実施:SocialDogの「キャンペーンで活用できる機能」を利用。
    4. 結果分析:キャンペーン終了後にデータを収集し、次回の改善点を抽出。

目的に応じた運用ルール〜事例紹介〜

これまでに説明した「運用ルールの5つの要素」を踏まえ、事例を交えて解説します。

【X(Twitter)運用ガイド②】X(Twitter)の運用方針を決める」も合わせて参考にし、自社の運用ルールを作成しましょう。

また、X(Twitter)において成果を出すには毎日の成果測定が必要不可欠です。SNS運用担当者は運用成果を毎日確認するようにしましょう。

1. 自社やサービスの認知拡大

事例:Tabio 靴下屋
  1. 投稿頻度:1日3回以上(朝・昼・夜にバランスよく配信)
  2. 投稿作成フロー:画像を活用して商品のビジュアル訴求を重視。ハッシュタグは原則使用しない。
  3. コミュニケーション方針:自社関連の投稿のリポスト(リツイート)を中心に行い、返信は原則行わない。
  4. 運用成果の計測頻度:毎日実施
  5. キャンペーン実施方針:認知拡大を目的として、「フォロー&リポストキャンペーン」を展開

Tabioの事例では、認知拡大を目指して1日3回以上の投稿を行い、画像を効果的に活用したビジュアル訴求を実施しています。自社関連の投稿をリポスト(リツイート)しながらも、返信は基本的に行わない運用方針を採用。同社へのインタビューによると、SocialDogで毎日成果を測定しているとのことです。

2. 顧客とのコミュニケーション強化

事例:わかさ生活 広報部
  1. 投稿頻度:1日5回以上(朝・昼・夜にバランスよく配信)
  2. 投稿作成フロー:画像や動画を多用したビジュアル重視の投稿。自社名のハッシュタグを活用
  3. コミュニケーション方針:自社関連の投稿に対していいねやリポスト(リツイート)を積極的に実施。好意的な投稿に対し返信も行う。
  4. キャンペーン実施方針:顧客とのコミュニケーション強化を目的とした、自社関連商品の「フォロー&リポストキャンペーン」を実施

わかさ生活の事例では、1日5回以上の投稿を目安に、画像や動画活用したビジュアル重視の投稿を行い、自社関連の投稿には積極的にいいねやリポスト(リツイート)、返信を行い、顧客とのコミュニケーションを強化しています。

3. ブランドイメージの向上

事例:富士通株式会社(Fujitsu Limited)公式

  1. 投稿頻度:1日1〜2回程度(主に11時〜12時に投稿)
  2. 投稿作成フロー:記事リンクを活用し、自社の取り組みを紹介
  3. コミュニケーション方針:基本的に返信や対応は行わない
  4. キャンペーン実施方針:ブランドイメージ向上に特化し、キャンペーンは実施しない

富士通の事例では、1日1〜2回を目安に、主に11〜12時に自社の取り組みを記事リンク付きで発信し、ブランドイメージを強化しています。

顧客対応は行わず、発信内容の品質と一貫性を重視します。キャンペーンは実施せず、ブランディングに特化した情報提供に注力します。

4. フィードバック収集

事例:森田アルミ工業株式会社【公式】
  1. 投稿頻度:新製品発売時やイベント開催時に投稿
  2. 投稿作成フロー:画像と自社製品のリンクを効果的に活用し、ビジュアル要素で訴求
  3. コミュニケーション方針:自社関連の投稿をリポスト(リツイート)し、サポートが必要な場合は積極的に対応(自社サービスに関する投稿を見つけた際にX(Twitter)上で対応)
  4. キャンペーン実施方針:「フォロー&リポストキャンペーン」を実施

森田アルミ工業の事例では、新製品発売やイベント開催時に、画像と製品リンクを効果的に活用してビジュアル訴求を行っています。また、自社関連の投稿をリポスト(リツイート)し、顧客サポートが必要な際は迅速に対応しています。フォロー&リポストキャンペーンを通じて、製品の認知拡大とユーザーからのフィードバック収集に取り組んでいます。

まとめ

本記事では、運用ルールの重要な5つの要素と具体的な事例をご紹介してきました。これらの事例を参考に、自社の特性に合った運用ルールを決定しましょう。

X(Twitter)の運用ルールを明確にすることで、一貫性のある効率的な運用が可能となり、成果を最大化できます。SocialDogのデータ分析機能とキャンペーン機能を活用することで、効率的に目標を達成しましょう。

次回の「X(Twitter)運用ガイド」では、運用ルール決定後の次のステップ「X(Twitter)運用を開始する」について解説します。