【X(Twitter)運用ガイド③】X(Twitter)運用のKPI(定量目標)を立てる

「X(Twitter)運用ガイド」は、アカウント運用のステップを7つに分け、運用目的からKPI、具体的な戦術まで体系的に学べるコンテンツです。

前回の「運用方針を決める」に続き、今回は「KPI(定量目標)を立てる」について解説します。X(Twitter)の運用ではKPI(定量目標)を設定することで、効果的な改善が可能になり、数値に基づいて課題を特定し、迅速な対策が取れるようになります。本記事では、KPIの主な指標や目的に応じたKPI設定の方法についてわかりやすく解説します。

主なKPI指標

X(Twitter)の主なKPI指標について、それぞれの定義や重要性を説明します。これらの指標を理解することで、効果的なKPIの設定が可能になります。

1. インプレッション数

  • 定義:投稿の表示回数。
  • なぜ重要か:投稿がどれだけの人に見られたかを示し、認知度を測ることができる。また、広告やプロモーションの効果を測るのに有用な指標。

2. エンゲージメント数

  • 定義:いいね、リポスト(リツイート)、返信などユーザーから反応のあった数。
  • なぜ重要か:フォロワーとの関わり合いの深さを示し、ブランドへの関心度を測ることができる指標。

3. リンククリック数

  • 定義:投稿内のリンクがクリックされた数。
  • なぜ重要か:実際の行動(ウェブサイト訪問、製品購入など)に繋がる可能性が高い指標。

4. フォロワー数

  • 定義:アカウントのフォロワー(更新を受け取るユーザー)の数。
  • なぜ重要か:ブランドの信頼性や拡散力を測ることができる指標。

5. 口コミ数

  • 定義:X(Twitter)上であなたのブランドや製品について言及された数。
  • なぜ重要か:ブランドの信頼性や認知度を測ることができる指標。

目的に応じたKPI設定

ここからは、運用目的ごとの適切なKPI設定について詳しくご紹介します。それぞれの目的に応じて、どのような指標を重視すべきか、また、その指標をどのように活用していくべきかを解説していきます。

1. 自社やサービスの認知拡大

  • KPI候補
    • インプレッション数
      • 投稿がどれだけの人に表示されたかを確認する認知拡大の指標
    • リンククリック数
      • 投稿を見た上で、購買意欲の高いユーザーを確認する指標
    • フォロワー数
      • フォロワー数が多いことは必ずしも認知拡大に直結しないため、上記指標と併せて評価することが重要

インプレッション数が増加すると、クリック数も比例して増加する傾向があるため、認知拡大においてはインプレッション数が非常に重要な指標と言えます。これらの指標から、目的に合わせて一つまたは複数を選んでKPIとして設定します。

  • SocialDogでインプレッション数を確認する方法

  • インプレッション数をKPIとして設定した際の増減要因について、以下に具体例を示します。

    • 増加要因
      1. 投稿内容の関心が高い:話題性のあるテーマ、タイムリーな情報、またはユニークな視点が共感を呼び、多くの人にリーチした。
      2. 適切な投稿時間帯の発見:特定の時間帯に投稿したことで、ターゲット層がアクティブなタイミングを見つけた。
      3. ハッシュタグやトレンド活用の効果:人気のハッシュタグやトレンドに関連付けた投稿が、幅広い層にリーチした。
      4. リツイートやいいねによる拡散:他のユーザーからのエンゲージメントが高まり、投稿がより広範囲に届いた。
    • 減少要因
      1. 投稿内容の関連性が低下:ターゲット層にとって興味を引かない内容や、投稿が曖昧で魅力が薄れた。
      2. 投稿時間帯の不適合:対象となるフォロワーのアクティブが少ない時間帯に投稿したため、見てもらえる機会が減少した。
      3. 競合投稿の影響:同時期に他の注目度の高い投稿やトレンドが発生していたため、埋もれてしまった。
      4. アルゴリズムの変更:プラットフォームのアルゴリズムの変更により、投稿が優先的に表示されにくくなった。

2. 顧客とのコミュニケーション強化

  • KPI候補
    • エンゲージメント数
      • いいね、リポスト(リツイート)、返信などユーザーから反応数を示し、ブランドへの関心度を測る指標
    • リンククリック数
      • 投稿を見た上で、購買意欲の高いユーザーを確認する指標
    • フォロワー数
      • フォロワー数が多いことは必ずしもコミュニケーション強化に直結しないため、上記指標と併せて評価することが重要

エンゲージメント数が増加すると、クリック数も比例して増加する傾向があるため、顧客とのコミュニケーション強化においてはエンゲージメント数が非常に重要な指標と言えます。これらの指標から、目的に合わせて一つまたは複数を選んでKPIとして設定します。

  • SocialDogでエンゲージメント数を確認する方法

    • エンゲージメントでは、「自分の投稿数」「投稿への返信数」「リポスト(リツイート)数」「いいね数」の合計値と、期間ごとの推移をグラフで確認できます。
    • 詳しい分析方法は「投稿を分析する方法〜基礎編〜」で解説しており、クリック数もこちらで確認できます。
  • エンゲージメント数をKPIとして設定した際の増減要因について、以下に具体例を示します。

    • 増加要因
      1. 投稿内容がターゲット層に響いた:内容がフォロワーや閲覧者にとって有益、面白い、または感情的に共感を得た。
      2. 行動喚起が効果的だった:「これについてどう思いますか?」「いいねを押してください!」などの具体的な行動喚起が成功した。
      3. 視覚要素の活用:魅力的な画像や動画、インフォグラフィックなど、目を引くビジュアルがエンゲージメントを促した。
      4. フォロワーの感情的な反応:喜び、驚き、怒りなど感情を揺さぶる内容が、コメントやリポスト(リツイート)を誘発した。
      5. ハッシュタグやトレンドの利用:関連性のあるハッシュタグやトレンドを使用したことで、新しいユーザーからのアクションを引き出した。
    • 減少要因
      1. 投稿内容の関連性が低下:投稿がターゲット層の興味に合わず、アクションを引き起こせなかった。
      2. 一方的な情報提供に終わった:双方向の会話を促さない投稿が多かったため、フォロワーの反応が薄れた。
      3. 視覚的要素が不足していた:テキスト中心の投稿が続き、注目を集める力が弱かった。
      4. 投稿時間帯の不適合:投稿した時間帯がターゲット層のアクティブなタイミングと一致していなかった。
      5. 投稿頻度や内容の偏り:同じような投稿が続いたことで、フォロワーが関心を失った。

3. ブランドイメージの向上

KPI設定は上記の「2. 顧客とのコミュニケーション強化」と同様になります。

エンゲージメント数を軸として、どれだけ企業への反応や関心があったかをKPIとして設定します。

4. フィードバック収集

  • KPI候補
    • 口コミ数
      • X(Twitter)上で自社のブランドや製品について言及された数。
    • アクティブサポート数
      • X(Twitter)上で自社サービスに関する投稿を見つけた場合に、その投稿に対して行なったアクション数

フィードバック収集を行う場合、これらの指標のいずれか、または両方をKPIとして設定します。

  • SocialDogで口コミや自社に関連する投稿を見つける方法
    • キーワードモニターを設定すると、口コミを簡単に収集することができます。

      1. メニューから受信箱をクリックします。
      2. キーワードモニター設定をクリックします。
      3. 「追加」をクリックします。
      4. 新しいキーワードモニターの横にある「✎」をクリックし、タイトルを入力します
      5. 取得したいキーワードを「キーワード」欄に入力します。
      6. 追加をクリックすると、設定が完了します
      7. 画面上部の「最新の投稿を取得」をクリックすると指定のキーワードの投稿を収集します。
      8. 結果はCSV形式でダウンロードできるため、自社にあった方法で計測できます。

実際にKPIを設定する

KPIの具体的な数値を設定する方法には主に2つのアプローチがあります。一般的には、自社アカウントの過去データを基にKPIを設定する方法がよく使われます。過去データがない場合は自社アカウントを運用して実績を確認するか、他社を参考にしつつKPIを設定します。

  1. 自社アカウントの過去データを元にKPIを設定する
  2. 他社のアカウントを参考にKPIを設定する
    • インプレッション数やエンゲージメント数は、他社アカウントの1週間の投稿合計数を元に、4週間分で算出できます。ただし、フォロワー数や投稿内容によって数値は大きく変動するため、参考とするアカウントは自社とフォロワー数が近い、かつ同じ業界のアカウントを慎重に選ぶことが重要です。

      ※投稿(画像)は左からエンゲージメントの「返信数」「リポスト(リツイート)数」「いいね数」、インプレッション数の順で表示される

KPIを設定したら、競合アカウントや参考とするアカウントを分析しましょう。

SocialDogの「ベンチマーク」では、連携している自分のアカウントと、ベンチマークしたいアカウントの以下の数値を比較することができます。

  • 投稿数
  • 投稿頻度
  • フォロワー数
  • フォロワーの増加ペース
  • フォロー数

成長しているアカウントの投稿数や頻度を参考にすることは非常に重要です。これらの比較項目を基に、KPIと合わせて自社アカウントの適切な投稿数やフォロワー数の目標を決定しましょう。

ベンチマークで分析する方法

  1. メニューから「分析」をクリックし、「ベンチマーク」をクリックします。

  2. 画面最上部の検索窓「 X(Twitter)のユーザー名で検索」に対象のユーザー名(@で始まる名前)を入力します。

  3. 画面右上の「ベンチマークアカウントに追加」ボタンを選択します。

  4. メニューから「分析」をクリックし、「ベンチマーク」をクリックします。

  5. 画面最上部の検索窓「 X(Twitter)のユーザー名で検索」に対象のユーザー名(@で始まる名前)を入力します

  6. 画面右上の「ベンチマークアカウントに追加」ボタンを選択します。

ベンチマークでは、他のアカウントのデータを確認し、競合調査や数値比較を効率的に実施できます。

「ベンチマークアカウントとの比較」表で見たいベンチマークアカウントを選択すると、そのアカウントとの比較データのみを確認することができます。

まとめ

X(Twitter)運用におけるKPIの設定方法について解説しました。KPIを設定することで、目的に沿った運用の測定や課題の発見を効果的に行えます。目的に応じた適切なKPIを設定し、過去データや他社アカウントを参考にしながら、具体的な数値目標を決めていきましょう。

SocialDogを活用すれば、各指標の可視化と分析が簡単に行えます。設定したKPIを基に継続的な改善を重ね、効果的なアカウント運用を実現しましょう。

次回の「X(Twitter)運用ガイド」では、KPI(定量目標)設定後の次のステップとなる「X(Twitter)の運用ルールを決める」について解説します。