「X(Twitter)運用ガイド」は、アカウント運用のステップを7つに分け、運用目的からKPI、具体的な戦術まで体系的に学べるコンテンツです。
前回の「運用を開始する」に続き、今回は「成果を分析する」について解説します。
SNS運用において、成果をデータで分析することは最も重要な作業です。本記事では、4つの主なKPI指標(インプレッション数、エンゲージメント数、リンククリック数、フォロワー数)に基づいた成果の分析方法について順に解説します。
成果の増減要因を詳しく解説していますので、自社のX(Twitter)運用分析にぜひ活用してください。
KPIに基づいて成果を分析する
ここでは、成果の分析とKPIの増減要因を踏まえて「投稿分析(効果的な投稿を見つける作業)」を実施する方法を解説します。
効果的な投稿は再現性があるため、その特徴を明らかにすることが重要です。定期的な投稿パターンを作り、社内でドキュメント化することで、X(Twitter)運用をより効果的に進めることができます。
参考:投稿分析の詳細は「投稿を分析する方法〜基礎編〜」で解説しています。
KPIの増減要因と投稿分析により効果的な投稿を見つけ出し、継続的に高いインプレッションとエンゲージメントを生み出す運用を目指しましょう。
インプレッション数
投稿がどれだけの人に表示されたかを確認する認知拡大の指標
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SocialDogでインプレッション数を確認してレビューする
- 投稿サマリーのインプレッションでは、投稿に対するインプレッション数をひと目で確認することができます。
- 詳しい分析方法は「投稿を分析する方法〜基礎編〜」で解説しています。
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インプレッション数の増減要因について、以下に具体例を示します。
- 増加要因
- 投稿内容の関心が高い:話題性のあるテーマ、タイムリーな情報、またはユニークな視点が共感を呼び、多くの人にリーチした。
- 適切な投稿時間帯の発見:特定の時間帯に投稿したことで、ターゲット層がアクティブなタイミングを見つけた。
- ハッシュタグやトレンド活用の効果:人気のハッシュタグやトレンドに関連付けた投稿が、幅広い層にリーチした。
- リツイートやいいねによる拡散:他のユーザーからのエンゲージメントが高まり、投稿がより広範囲に届いた。
- 減少要因
- 投稿内容の関連性が低下:ターゲット層にとって興味を引かない内容や、投稿内容が曖昧で魅力が薄れた。
- 投稿時間帯の不適合:対象となるフォロワーのアクティブが少ない時間帯に投稿したため、見てもらえる機会が減少した。
- 競合投稿の影響:同時期に他の注目度の高い投稿やトレンドが発生していたため、埋もれてしまった。
- アルゴリズムの変更:プラットフォームのアルゴリズムの変更により、投稿が優先的に表示されにくくなった。
- 増加要因
インプレッション数を増加させるには、話題性のある内容、適切な投稿時間帯の選択、効果的なハッシュタグの活用が重要です。一方で、魅力に欠ける内容、不適切な投稿時間は、インプレッション数の減少につながります。
フォロワーに刺さる投稿内容に改善することで、インプレッション数の増加を目指しましょう。
エンゲージメント数
いいね、リポスト(リツイート)、返信などユーザーからの反応数を示し、ブランドへの関心度を測る指標
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SocialDogでエンゲージメント数を確認して分析する
- エンゲージメントでは、「自分の投稿数」「投稿への返信数」「リポスト(リツイート)数」「いいね数」の合計値と、期間ごとの推移をグラフで確認できます。
- 詳しい分析方法は「投稿を分析する方法〜基礎編〜」で解説しています。
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エンゲージメント数の増減要因について、以下に具体例を示します。
- 増加要因
- 投稿内容がターゲット層に響いた:内容がフォロワーや閲覧者にとって有益、面白い、または感情的に共感を得た。
- 行動喚起が効果的だった:「これについてどう思いますか?」「いいねを押してください!」などの具体的な行動喚起が成功した。
- 視覚要素の活用:魅力的な画像や動画、インフォグラフィックなど、目を引くビジュアルがエンゲージメントを促した。
- フォロワーの感情的な反応:喜び、驚き、怒りなど感情を揺さぶる内容が、コメントやリポスト(リツイート)を誘発した。
- ハッシュタグやトレンドの利用:関連性のあるハッシュタグやトレンドを使用したことで、新しいユーザーからのアクションを引き出した。
- 減少要因
- 投稿内容の関連性が低下:投稿がターゲット層の興味に合わず、アクションを引き起こせなかった。
- 一方的な情報提供に終わった:双方向の会話を促さない投稿が多かったため、フォロワーの反応が薄れた。
- 視覚的要素が不足していた:テキスト中心の投稿が続き、注目を集める力が弱かった。
- 投稿時間帯の不適合:投稿した時間帯がターゲット層のアクティブなタイミングと一致していなかった。
- 投稿頻度や内容の偏り:同じような投稿が続いたことで、フォロワーが関心を失った。
- 増加要因
エンゲージメント数を増やすには、ターゲットに響く有益なコンテンツ、魅力的な視覚要素、効果的な行動喚起が重要です。一方で、関連性の低い内容、一方的な投稿、視覚要素の不足、不適切なタイミングは、エンゲージメント数の低下を招きます。
これらの要素を分析し、エンゲージメント数の増加に繋げていきましょう。
リンククリック数
実際の行動(ウェブサイト訪問、製品購入など)に繋がる可能性が高い指標。
- 投稿パフォーマンスで、期間ごとのリンククリック数の推移をグラフで確認できます。
- 詳しい分析方法は「投稿を分析する方法〜基礎編〜」で解説しています。
- リンククリック数の増減要因について、以下に具体例を示します。
- 増加要因
- キャッチコピーの工夫:ユーザーの興味を引く具体的でわかりやすい文言やファーストビューを作成できた。
- リンク前後のコンテンツの質:魅力的なビジュアルや動画、リンク先を説明する具体的なテキストを用意できた。
- 明確なCTA:「詳細はこちら」「今すぐチェック」など行動を促す言葉を使用した。
- リンクの位置:投稿文の冒頭や視認性の高い位置にリンクを配置できた。
- ターゲティング:リンク内容に興味を持つターゲット層にリーチできた。
- 投稿のタイミング:フォロワーがアクティブな時間帯にリンクを含む投稿できた。
- メディアの付加価値:リンクと関連する高品質な画像や動画を添付できた。
- 限定性や緊急性の強調:「本日限り」「今だけ特別」などの希少性を訴える表現が響いた。
- 減少要因
- リンク先の信頼性不足:リンク先が不明瞭で信頼性が低いと判断され、クリックを躊躇された。
- 内容がリンクと一致しない:投稿内容とリンク先の内容が異なっていた。
- リンクが埋もれる:長い投稿文の中でリンクが目立たなかった。
- スパム感のある投稿:リンクが過剰に強調され、広告感が強く信頼感が低下した。
- CTAの不明確さ:リンクをクリックする動機が弱い、または目的が不明確だった。
- 増加要因
リンククリック数を増加させるには、興味を引くキャッチコピーや明確な行動喚起(CTA)、視認性の高いリンク配置や適切なターゲティング、魅力的なビジュアルの活用が重要です。一方で、リンク先の信頼性不足や埋もれたリンク、スパム感のある投稿はクリック数減少の要因となります。
適切なタイミングとターゲットに合わせた投稿がクリック率向上の鍵となります。
フォロワー数
ブランドの信頼性や拡散力を測ることができる指標。
- フォロワーで期間ごとの推移をグラフで確認できます(右上の赤枠部分で期間を変更できます)。
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フォロワー数の増減要因について、以下に具体例を示します。
- 増加要因
- 質の高いコンテンツ:フォロワーの興味や価値観に合った投稿を定期的に提供できた。
- ターゲット層にリーチするハッシュタグ:人気があり、投稿内容に関連するハッシュタグを活用した。
- エンゲージメントの促進:ユーザーとの会話やリプライで信頼関係を築くことができた。
- 他のアカウントとのコラボレーション:インフルエンサーや関連ブランドと共同で企画を実施し、新たなフォロワー層にアプローチできた。
- コンテストやキャンペーンの実施:フォロー&リポストキャンペーンやプレゼント企画を活用し、新規フォロワーを獲得できた。
- 一貫したブランディング:投稿のトーンやデザインを統一し、認知度を高めた。
- アカウント紹介の外部連携:ブログやメールマーケティング、他のSNSを通じてアカウントを紹介できた。
- アクティブな投稿頻度:適切な投稿頻度でユーザーの関心を維持できた。
- 減少要因
- 低品質な投稿:誤字脱字や無関係な内容の投稿により、フォロワー離れが起きた。
- 過度な宣伝投稿:スパムと感じる頻繁なプロモーション投稿が信頼を損ねた。
- トーンの不一致:フォロワーの期待にそぐわない投稿スタイルや内容により、フォロワーの違和感が生じて離脱につながった。
- 長期間の更新停止:投稿が少なすぎることで、アカウントの存在感が薄れた。
- 返信や対応の遅れ:ユーザーからのメッセージやリプライに反応しないことで、フォロワーの満足度が下がった。
- 炎上やネガティブなイメージ:投稿内容や運営方針による批判を招くことで、フォロワーが減少した。
- フォロー戦略の不備:相互フォローを期待するユーザーへの対応不足により、フォロワーの不満を招いた。
フォロワー数を増加させるには、質の高いコンテンツや適切なハッシュタグ、エンゲージメント促進、コラボ企画、キャンペーンの実施が効果的です。
一方で、低品質な投稿や過度な宣伝、トーンの不一致、更新停止、対応の遅れはフォロワー減少の要因となります。一貫性のあるブランディングと適切なコミュニケーションが成長の鍵となります。
まとめ
本記事では、「X(Twitter)の成果を分析する」を解説しました。SNS運用において、データに基づく成果分析は最も重要な要素となります。成果の増減要因を踏まえ、自社のX(Twitter)成果を分析しましょう。
SocialDogの活用で、各指標の可視化と分析が簡単に実施できます。設定したKPIに基づいて継続的な改善を行い、効率的なアカウント運用を目指しましょう。
次回の「X(Twitter)運用ガイド」では、最後のステップである「X(Twitter)の運用を改善する」について解説します。
- 増加要因