「X(Twitter)運用ガイド」は、アカウント運用のステップを7つに分け、運用目的からKPI、具体的な戦術まで体系的に学べるコンテンツです。X(Twitter)を効果的に運用するには、明確で測定可能な目的を設定し、それに基づいた戦略とKPIを設計することが重要です。
本記事では、最初のステップであり、X(Twitter)運用における最も重要な要素である「運用目的の決定」について解説します。本記事を読むことで、「自社アカウントのSNS運用の目的は何か?」という問いに自信を持って答えられる状態を目指します。
アカウント運用で結果が出ない原因
X(Twitter)運用において、「なぜX(Twitter)運用がうまくいかないのだろうか」と悩む担当者は少なくありません。よくある失敗の原因を7つ紹介するので、自社のアカウントに当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
1. 明確な目的や戦略がない
アカウントの目的が不明確なまま、「とりあえず投稿すればいい」と統一感のない内容を発信しても、フォロワーに価値を提供することはできません。それどころか、フォロー解除の増加やブランドイメージの低下を招くリスクを高めてしまいます。
2. 一方的な情報発信のみ
商品やサービスの宣伝ばかりを投稿し、フォロワーとの対話を行わないと、双方向のコミュニケーションが生まれません。その結果、フォロワーはエンゲージメントを感じにくくなり、商品やサービスへの関心が薄れるおそれがあります。
3. ターゲットのニーズを把握していない
ターゲット層に合わない専門用語や関係のない話題を投稿すると、フォロワーの共感や関心を得られず、投稿がスルーされてしまいます。
4. 分析をしない
投稿ごとのパフォーマンスを確認せずに投稿を続けると、効果的な投稿とそうでない投稿を区別できなくなります。その結果、成果が上がらず、改善の機会を逃してしまいます。
5. 時事ネタやトレンドへの対応不足
旬の話題やトレンドに敏感でないと、タイムリーな情報を求めるフォロワーの期待に応えられず、エンゲージメントが低下する可能性があります。
6. アルゴリズムやプラットフォームの特性を理解していない
他のSNSと同じ内容をそのままX(Twitter)に投稿しても、SNSごとにアルゴリズムが異なるため効果的ではありません。また、X(Twitter)のユーザーは短文やタイムリーな情報を好む傾向が強いため、アルゴリズムやプラットフォームの特性に合わせた投稿が重要です。
7.短期的な成果を求めすぎる
SNS運用は「マラソン」とよく例えられるように、焦らず地道に取り組むことが成功への近道です。特にX(Twitter)は、フォロワーとの信頼関係が鍵となります。短期的なフォロワー増加策に頼りすぎると、逆効果になる可能性があります。
また、アカウントの成長には時間がかかりますが、その過程でターゲット層との信頼関係を築くことで、認知の拡大(フォロワーによる投稿の拡散など)につながります。
X(Twitter)の運用目的を決める
X(Twitter)は、企業がブランドや商品の認知度を高め、顧客と直接対話できる強力なプラットフォームです。
この特徴を最大限に引き出すには、明確な運用目的が不可欠です。以下に、X(Twitter)の主な運用目的を4つ紹介します。
- 自社やサービスの認知拡大
- 顧客とのコミュニケーション強化
- ブランドイメージの向上
- フィードバック収集
目的別のX(Twitter)運用方法〜事例紹介〜
これから、4つの目的それぞれに沿った運用方法を具体的な事例とともに紹介します。
自社のアカウントと照らし合わせ、最適な運用目的を選択しましょう。運用目的に応じて、その後のKPI設計や投稿内容が大きく変わるため、目的の決定はX(Twitter)運用において最も重要なステップといえます。
自社のビジョンや目標と最もマッチする目的を慎重に検討し、アカウントの運用目的を決定しましょう。
1. 自社やサービスの認知拡大
X(Twitter)を活用して、ターゲットとなる市場や顧客層に自社のサービスや製品を広めることが目的です。
特に、ブランドや製品をまだ認知していない潜在顧客へのアプローチを目指すアカウントが、この目的を選択することが多く、X(Twitter)運用で最も一般的な運用目的となっています。
- 具体的なアクション
- 自社サービスや製品の紹介・キャンペーンの告知
- トレンドと自社商品を組み合わせた投稿
- ターゲット層を絞り込んだ投稿やキャンペーンの実施
事例:Tabio 靴下屋
2. 顧客とのコミュニケーション強化
顧客との接点を増やし、継続的な利用やリピート購入を促進します。X(Twitter)を通じて顧客と直接コミュニケーションを取ることで、エンゲージメントの強化やファン化を進めることができます。
- 具体的なアクション
- 特定の層(ファンなど)にパーソナライズした投稿
- 定期的な更新情報やキャンペーン通知
- クイズの出題や投稿への返信など、フォロワーとの双方向のコミュニケーション
事例:わかさ生活 広報部
3. ブランドイメージの向上
X(Twitter)は企業のブランド価値を高めるための重要なプラットフォームです。一貫性のあるメッセージやデザインを通じて、信頼性や共感を得られるブランドイメージを構築します。
- 具体的なアクション
- 高品質なコンテンツの発信(ブログ、動画、ビジュアルなど)
- 社会的責任活動やサステナビリティの取り組みの発信
- 顧客からのポジティブな声や成功事例の共有
- 企業のブランドイメージを象徴するコンテンツ(CMや動画)を投稿
- 自社のサステナビリティ、チャリティ活動、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを紹介
- 自社が描く未来のビジョンや、顧客ニーズに応える取り組みを共有
4. フィードバック収集
X(Twitter)を通じて顧客の声を集め、製品やサービスを継続的に改善するためのデータを得ることが目的です。顧客が何を求めているのか、どの部分に課題があるのかを把握できます。
- 具体的なアクション
- アンケートや投票機能の実施
- ソーシャルリスニング(口コミ収集)を通じた意見収集
まとめ
本記事では、X(Twitter)運用において重要なステップである「運用目的の決定」について解説しました。運用目的を明確にすることは、戦略を構築するうえでの出発点であり、投稿内容やフォロワーとの効果的なコミュニケーションを支える重要な要素となります。
運用目的は、アカウントの状況や目標によって異なります。本記事を参考に、自社やサービスに最適な運用目的を設定し、成果につながる運用を目指しましょう。
次回の「X(Twitter)運用の教科書」では、目的設定後のステップである「運用方針の決定」について詳しく解説します。目的に応じた適切な方針を策定する方法を学び、さらに効果的な運用を実現しましょう。